この記事の内容
- 縮毛矯正について振り返る
- 還元反応❶と❷について
- 縮毛矯正の失敗の原因
- 平衡反応と可逆反応

縮毛矯正といえば、1液をつけてアイロンで伸ばして2液で結合させる。
という施術内容ですが、還元反応について知る事により「クセ戻り、時間経過のダメージ減、仕上がりのクオリティUP」に繋がる可能性が高まります。
なのでその、還元反応❶、❷についても含めつつ縮毛矯正とは?という内容を振り返ってみよう!という記事になります。
縮毛矯正の基本原理|なぜ髪はまっすぐになるのか?

ストレート剤を使用した縮毛矯正は、クセ毛やうねりのある髪をまっすぐな状態に整える技術
仕上がりが綺麗なのはもちろんですが、その効果の裏には髪の中で起きている化学反応が大きく関わっています。
その鍵を握るのが「ジスルフィド結合」と、それを切断・再結合する「還元反応」と「酸化反応」です。
ここでは、その仕組みをできるだけ分かりやすく、例えを交えながら解説します!
ジスルフィド結合と還元反応の役割

髪の中には、「ジスルフィド結合」と呼ばれる結びつきがあります。
SS結合、シスチン結合です。
これは、髪の形を支える柱のようなもので、この結合が強かったり不規則だったりすると、髪にクセやうねりが生じます。
これがクセ毛や髪の歪みの原因です。
縮毛矯正では、このジスルフィド結合を一度切断し、新しい形で結び直すことで、まっすぐな髪を作り上げます。
まず、「還元反応」を使ってこのジスルフィド結合を切ります。
これを分かりやすく例えると、髪が「固く結ばれた靴ひも」だとします。
この靴ひもをまっすぐにするには、まず結び目を解かないといけませんよね。
還元反応は、その結び目を緩めて解く役割を果たします。
この時に使うのが還元剤(例:チオグリコール酸、システアミン)です。
KSSK → 2KSH
ここで「KSSK」はジスルフィド結合、「KSH」は切断後の状態を示します。
これにより髪が柔らかくなり、自由に形を変えやすい状態になります。
髪が骨折していたり、関節が外れているイメージです。
次に、熱処理(アイロン)を使って髪をまっすぐに整えます。
これを靴ひもに例えると、解いたひもを平らに伸ばして形を整える作業にあたります。
この時、髪内部の水分や結合を熱の力で固定することで、形が安定します。
最後に、「酸化反応」で切断した結合を再び結び直します。
これを靴ひもの例に戻すと、まっすぐに整えたひもを新しい形で再び結ぶ作業です。
酸化剤(例:過酸化水素、ブロム酸)がこれを行います。
後に出てくるKSHとKSHに酸素(O)を与え水素(H)を奪うとKSSKに戻り、同時に水(H2O)が出てきます。
2KSH → KSSK + H2O
これにより、新しい形の結合が安定し、まっすぐな髪が完成します。
KSSKやKSHなど聞き慣れない言葉が出てきたと思いますが、還元剤をしようして髪を還元状態にして再結合させるまでの科学反応の事です。
ざっくり知っておくと、クセ戻りや時間経過のダメージなどの原因が見えてきて対処方法も考えられるようになります。
美容師が押さえておくべき髪内部の構造

髪の内部構造は「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」という3層でできています。
この中で、縮毛矯正で特に重要なのは「コルテックス」です。
コルテックスには、髪の強さや形状を決めるたんぱく質(ケラチン)が含まれており、ジスルフィド結合もここに存在します。
縮毛矯正で使う薬剤は、コルテックスにしっかり浸透しなければ効果を発揮できません。
薬剤塗布前にプレ膨潤でアルカリトリートメントなどを使うのも効果的です。
ここで考えるべきなのが「親水性」と「親油性」です。
たとえば、親水性の還元剤(例:チオグリコール酸)は水になじみやすく、髪の内部まで入りやすい性質があります。一方、親油性の還元剤(例:システアミン)は髪表面にとどまりやすいですが、ダメージを抑えながら作用します。
この違いを理解し、髪質やダメージレベルに合わせて薬剤を選ぶことが大切です。
また、コルテックスの構造を正しく理解することで、薬剤の塗布量や放置時間、アイロンの温度調整など、施術のすべてに感覚だけではなく科学反応を意識しながら工程を進める事かできます。
それが最終的に「信頼される美容師」につながるポイントだと思っています。
仕上がり変わりますよ!
縮毛矯正における化学反応を詳しく解説

始めて聞く言葉が出てきて頭が痛くなると思います。
完璧に理解する必要はないてすが、縮毛矯正で還元をすると、どのように結合が切れて再結合するのか、不純物や残留とは具体的に何なのかなど。
知っておくと対処できるポイント、施術工程でのテクニック、ダメージ対処、クセ戻りなど縮毛矯正が成立する理論的な事がわかるようになると思います。
こんな反応を起こして、この時に問題が起きやすいんだ!ぐらいの感覚で読んでください。
僕も100%の理解はできていないかも知れませんが、この反応について気になり過ぎで1ヶ月ぐらいChatGPTを使い質問を繰り返し、時には理詰めしながら生意気な質問をして理解できた内容をざっくりと説明していきます。
ジスルフィド結合の分解と再結合|縮毛矯正の核となる化学式

縮毛矯正では、髪内部のジスルフィド結合を操作することでクセ毛をまっすぐにします。
この結合の分解(還元)と再結合(酸化)は、縮毛矯正の効果を左右する重要なプロセスです。
この反応を具体的な化学式を使って説明します。
❶KSSK + RSH ⇄ KSSR + KSHの反応について:ジスルフィド結合の還元が切れていく

ジスルフィド結合(KSSK)は、還元剤(RSH)の作用によって一部が切断され、KSSR(ミックスジスルフィド結合)とKSH(Sの片方、チオール基)が生成されます。
KSSK + RSH ⇄ KSSR + KSH
この段階では、ジスルフィド結合が切断され始め、髪が柔軟な状態になります。
この柔軟性を活かし、物理的に髪をまっすぐに整えることが可能になります。
ジスルフィド結合に還元剤が作用していく最初の反応です。
最後はKSHとKSHが結合してKSSKに戻ります。
RSHは還元剤でKSSRはまだKSHになっていないKSHとRSHが結合してしまっている「ミックスジスルフィド結合」という最後に残したら問題を起こす不安定な結合です。
ミックスジスルフィド結合は重要です。
❷KSSR + RSH ⇄ RSSR + KSHの反応について:ミックスジスルフィド結合が還元される

次の段階ではミックスジスルフィド結合(KSSR)がさらに還元され、完全に切断されます。
KSSR + RSH ⇄ RSSR + KSH
ここでRSSR(還元剤同士の結合)とKSH(Sの片方)が生成されます。
この過程で、髪の内部が完全に柔らかくなり、新しい形に整える準備が整います。
❶でできたKSSR(ミックスジスルフィド結合)をさらに還元剤(RSH)で還元させるとKSHがもう一つできます。
❶でKSHが1つ目ができて❷でもKSHの2つ目が出来ました。
RSSRは還元剤同士の結合で不純物です。
❶と❷が進むとKSH2つとRSSRが残るという事です。
ちなみにRSSRはチオグリコール酸の場合は「ジチオジグリコール酸」「ジチオ」に変化します。
最後に髪から追い出すのは
- 残留還元剤(RSH)
- RSSR
です。
弱い還元力とは、❶と同じくクセの結合を切りたいクセの結合を切るパワーでいくとKSSRも増やし続けてしまいます。
適正還元したらもう切らなくていいですよね。
イタチごっこ状態です。
KSSRは不安定なので弱い結合で還元反応がしやすいため弱めの還元が適しています。
KSSRを増やさないようにKSHとRSSRのみを増やしていくイメージです。
ちなみに、KSSRはKSHとは結合しないので、未完成な部分が残ってしまいます。
酸化反応 2KSH+ O → KSSK + H2O 2液により再結合

ジスルフィド結合が再結合する最後のステップです。
この段階では、還元反応によって一時的に切断されたジスルフィド結合(KSSK)が、酸化剤(O)によって再結合します。この反応により髪の内部構造が安定し、新しい形状が固定されます。
- 2KSH + O → KSSK + H2O
- KSH: 還元の過程で生成されたチオール基。
- O: 酸化剤(一般的には過酸化水素などが使用される)。
- KSSK: 再結合されたジスルフィド結合。
- H2O: 副産物として生成される水分。
再結合の仕組み
1. 還元反応によって髪の中に柔らかく形成されたKSH(チオール基)が、酸化剤と反応してKSSK(ジスルフィド結合)に戻ります。
2. この反応は、還元反応で柔軟性を得た髪を物理的に整えた後、その形状を定着させるために不可欠です。
3. 酸化反応により、髪の形状が保持されると同時に、内部構造が安定します。
KSSRの存在: もし還元過程でKSSR(ミックスジスルフィド結合)が残っている場合、これが酸化されると不安定な結合が残留し、髪のクセ戻りやダメージの原因になることがあります。
酸化不良: 酸化剤が不足したり、酸化が十分に進行しない場合、完全にKSSKに再結合できず、髪が不安定になる可能性があります。
残留還元剤やRSSRの除去: 酸化前にしっかりと水洗や中間処理を行い、残留還元剤(RSH)やRSSRを取り除くことで、酸化反応の妨げを防ぐことが重要です。
還元剤の種類と特徴|チオグリコール酸、システアミン、システイン、GMT、スピエラ、チオグリセリン、サルファイトの違い

縮毛矯正で使われる還元剤にはさまざまな種類があり、それぞれ髪に与える影響が異なります。
- チオグリコール酸
- システアミン
- システイン
- GMT
- スピエラ
- チオグリセリン
- サルファイト
還元剤により親水性で水で流れやすい、親水性で残留しやすいなどがあります。
GMT、スピエラは酸熱ストレートに使えて便利ですが残留による事故が起きやすい還元剤です。
チオグリコール酸
- 特徴: 浸透性が高く、強力な還元力を持つ。
- 作用: クセをしっかり伸ばせるが、髪への負担が大きい。
- 親油性/親水性: 親水性。
- 用途: 強いクセやしっかりとした縮毛矯正が必要な場合に使用。
システアミン
- 特徴: 親油性が高く、髪の表面に作用しやすい。
- 作用: 髪への刺激が少なく、柔らかい仕上がりが得られる。
- 親油性/親水性: 親油性。
- 用途: 軽いクセ伸ばしや、ダメージを抑えた施術で使用。
システイン
- 特徴: アミノ酸系還元剤で、髪に優しい。
- 作用: ダメージが少なく、自然な仕上がりを実現。
- 親油性/親水性: 親水性。
- 用途: ダメージ毛や柔らかいクセに適している。
GMT
- 特徴: 中性領域で作用するため、アルカリダメージを抑えられる。
- 作用: 髪の負担を軽減しながら、しっかりとクセを伸ばす。
- 親油性/親水性: 親水性。
- 用途: ダメージを抑えつつクセを伸ばしたい施術で使用。
スピエラ
- 特徴: 酸性領域で効果を発揮し、低刺激。
- 作用: 髪のキューティクルを閉じたままクセを伸ばす。
- 親油性/親水性: 親水性。
- 用途: ダメージ軽減を重視した縮毛矯正やトリートメントストレートに適している。
チオグリセリン
- 特徴: チオグリコール酸に似た構造を持ち、浸透性が高い。
- 作用: 強力な還元力を持ちながら、チオグリコール酸より穏やかで髪への負担が少ない。
- 親油性/親水性: 親水性。
- 用途: しっかりしたクセ伸ばしが必要だが、ダメージを抑えたい場合に使用。
サルファイト(亜硫酸塩)
- 特徴: 髪への作用が穏やかで、還元力が弱い。
- 作用: 他の還元剤の効果を補助し、ミックスジスルフィドの生成を抑える。
- 親油性/親水性: 親水性。
- 用途: 軽いクセの処理や、中間処理でのダメージ軽減に使用。
親水性と親油性の違い:髪内部への浸透性と反応性の比較

還元剤の「親水性」と「親油性」は、髪への浸透性や反応性に影響を与えます。
- 親水性還元剤:水と馴染みやすく、髪の内部に浸透しやすい(例:チオグリコール酸)。
- 親油性還元剤:油分と馴染みやすく、髪表面に作用しやすい(例:システアミン)。
質感の調節や髪質やダメージレベルに応じて、これらを使い分けることが大切です。
それぞれの還元剤が髪に与える影響と選び方

還元剤の選択は、施術結果とダメージに直結します。
たとえば、チオグリコール酸は強力ですが傷みやすく、スピエラやGMTはダメージが少ない分、効果が穏やかで残留もしやすい。
なんでもチオグリコール酸で伸ばそうとすると髪に負担がかかるので、システアミンと併用したり、少しGMTを足したりなど髪質やお客様の要望に応じて適切に選択しましょう。
還元反応におけるS1とS2の関係|髪内部の化学反応を制御するポイント

髪の内部にはS1(毛表面近くのジスルフィド結合)とS2(毛髪内部のジスルフィド結合)があります。
S1は表面に近いため還元反応が起きやすく、S2は内部にあるため反応が進みにくい傾向があります。
還元剤の浸透性と放置時間を調整することで、これらのバランスをコントロールすることが大切です。
中間処理と後処理の重要性
縮毛矯正の仕上がりを左右するのは、薬剤選びや施術テクニックだけではありません。
中間処理と後処理を丁寧に行うことで、髪のダメージを最小限に抑えながら、まっすぐな状態を長く保つことができます。
ここでは、中間処理や後処理がなぜ重要なのか、その具体的な理由と方法を詳しく解説します。
中間処理で還元剤を除去する理由|髪内部の余剰反応を防ぐ方法
中間処理は、還元反応を止めるために欠かせないステップです。
髪内部に還元剤が残っていると、余剰反応が続き、髪が必要以上に柔らかくなったり、ダメージを受けたりします。
また、還元剤が残ったまま酸化処理を行うと、ジスルフィド結合が不完全な形で再結合し、クセ戻りの原因になります。
中間処理では、余分な還元剤をしっかりと洗い流しつつ、髪の状態を中和する役割も果たします。
中間処理は還元剤を長すではなく酸化結合させやすい環境を整えるためという意味があります。
中間水洗での適切な流し方とpH調整
中間処理での水洗は、薬剤を完全に除去するための重要なプロセスです。
水洗の際に僕が意識するポイントです。
- お湯で還元剤を少しずつ薄め、還元反応を少しずつ下げていく
- 水圧で内部を均等化させていく
- アルカリトリートメントで残留物を追い出しつつ酸化させやすくしておく
- ジチオなどを使い還元反応をできるだけ最後まで進める
- ケラチン、CMCなどをしっかり入れる
- キトサンなどでアイロンの熱対策を行う
などです。
縮毛矯正はたくさん水で流せ!と言われているのはもっと深い意味があります。
ただ流してシャンプーして軽く処理剤をつけてだと不具合になる可能性を取り除く事はできないので中間処理はかなり大切です。
可逆反応を意識して再結合しやすくする
縮毛矯正のジスルフィド結合は可逆反応(行き来が可能な反応)で進行します。
❶KSSK + RSH ⇄ KSSR + KSH
❷KSSR + RSH ⇄ RSSR + KSH
⇄これです。この反応は→にも←にも傾く天秤のようなバランスで保たれています。
還元していくと→に傾くので、2液で酸化させる前にはいきなり塗布する!ではなくその他の工程で←に寄せてバランスの取れている状態に戻していく事が重要です。
なので、中間処理は大事です!還元剤を適切に除去し、髪を整えることで、再結合が効率的に進みます。
酸化処理の仕組みと選択肢|過酸化水素とブロム酸の違いと仕上がりの影響
酸化処理は、ジスルフィド結合を再結合させるために必要なプロセスです。
酸化剤として一般的に使用されるのは、過酸化水素とブロム酸です。
- 過酸化水素:酸化力が強く、短時間で結合を再形成します。ただし、使い方を誤ると髪に負担がかかることがあります。
- ブロム酸:酸化力は穏やかですが、安定した仕上がりを得やすいのが特徴です。ダメージが少ない施術に向いています。
髪質やダメージレベルに応じて、最適な酸化剤を選択しましょう。
2液で再結合:過酸化水素とブロム酸で酸化
2液(酸化剤)を使った酸化処理では、再結合が強固になり、髪の形状が固定されます。
施術時には髪全体に均一に酸化剤を塗布し、タイミングを見極めて洗い流します。
僕は過酸化水素を使うのですが、先程のアルカリトリートメントを使う理由の1つとして、あまり中性や酸性の場合に過酸化水素が反応しにくいので、中間処理でアルカリに寄せて2剤の反応をしやすくするという意味もあります。
過酸化水素はいきなり濃度が高いものをつけると発熱したり髪によくないので、少しずつ濃度を上げる「濃度並行」を意識して酸化させると髪に負担が少なくなります
自然酸化による再結合もあるから数日は髪を縛らない方がいい
酸化処理後、髪内部では自然酸化が数日間続きます。
この期間中に髪を強く縛ったり、折り癖がつくような扱いをすると、結合が不完全な状態で固定されてしまう可能性があります。
そのため、施術後はできるだけ髪をまっすぐな状態でキープし、ゴムで縛らないなどの注意が必要です。
結合が完全にくっつき数日間安定しないため、できるだけまっすぐな状態を意識して過ごしてもらう
縮毛矯正後の髪は、数日間安定しない状態にあります。
この期間中に無理なスタイリングやクセをつけてしまうと、仕上がりに影響を及ぼす可能性があります。
まっすぐな状態を意識しながら丁寧に髪を扱うことで、縮毛矯正の効果を最大限に引き出すことができます。
最低限24時間は洗わないで欲しい、縛ったり耳にかけるのだけ数日はしない方がいいです。などを伝えておくといいと思います。
縮毛矯正を成功させるための施術ポイント
薬剤の選択と塗布テクニック|髪質やダメージレベルに合わせた処方
縮毛矯正を成功させるには、髪質やダメージレベルに合わせた薬剤選びが重要です。
たとえば、太く硬い髪には浸透力の高いチオグリコール酸が効果的ですが、ダメージが気になる髪には、優しく作用するシステアミンやGMTを選ぶといいですね。
薬剤は塗布する量や時間の調整もポイントです。均一に塗布することで、ムラのない仕上がりを実現します。
薬剤の浸透をよくするために、前処理でアルカリトリートメントを行っておくのも効果的で前処理剤な浸透も還元効率もよくなります。
薬剤選定時に考慮すべき親水性と親油性のバランス
薬剤選びでは「親水性」と「親油性」のバランスも考慮しましょう。
親水性の還元剤(例:チオグリコール酸)は髪内部に浸透しやすく、強いクセに向いています。
一方、親油性の還元剤(例:システアミン)は表面で作用し、髪に優しい処方です。
これらを適切に使い分けることで、ダメージを抑えつつ理想的な仕上がりが可能になります。
複合還元や前処理剤でのプレ還元なども有効です。
例えば、メインはシステアミンをベースに使いたい場合など、シャンプー台ですぐに流せるように、調節したチオグリコール酸のストレート剤で軽く還元とアルカリ膨潤させておくという方法もあります。
アイロンの温度設定と使用方法|熱処理で仕上がりが変わる理由
アイロンの温度と使用方法は、縮毛矯正の仕上がりを左右します。
髪の状態に合わせて温度を調整することが重要です。
通常、180℃程度が適温とされますが、ダメージが進んでいる髪には160℃前後の低温が推奨されます。
高温すぎると髪内部の水分が蒸発し、ダメージの原因になります。
アイロンを使う際は、髪を均一に引き伸ばしながら一定のスピードで行うことがポイントです。
還元不足でアイロンでなんとかしようとして「熱ヤケ」させて傷んだなんて事もあるので、還元はしっかり行っておく事が重要です。
髪内部の水分と熱処理の関係
髪内部の水分は熱処理に大きな影響を与えます。髪に適度な水分が残っている状態では、アイロンの熱が均一に伝わり、クセがしっかり伸びます。
しかし、髪が乾きすぎていると、熱が局所的に集中し、ダメージのリスクが高まります。
水分残し、完全ドライなど水分のコントロールが重要です
適切な前処理で髪に保湿や保護作用を与えることが大切です。
キトサンやエルカラクトンが配合された物がオススメです。
トリートメントの役割|縮毛矯正後のケアで差が出る仕上がり
トリートメントは縮毛矯正後のケアに欠かせないステップです。
髪内部に栄養を補給し、外部をコーティングしてダメージを抑えます。
特に、縮毛矯正後は髪がデリケートな状態なので、保湿力の高いトリートメントを使用することで、ツヤと柔らかさを維持できます。
僕はコラーゲンやリピジュアなどを個別に配合させたりしています。
ケラチン、CMC、補修剤などの有効成分の活用
縮毛矯正後のトリートメントには、ケラチンやCMC(細胞間脂質)、その他の補修成分を含むものを選ぶと効果的です。
これらの成分は髪内部に浸透し、ダメージを修復しながら保護層を形成します。
特にケラチンは髪を強化し、縮毛矯正の持続性を高める役割があります。
ちなみに、ケラチンは酸性によると固まるので、酸リンスや流行りのレブリン酸などが配合された製品で弱酸性に戻して上げた方がケラチンが定着しやすくなります。
僕はMETEOクリーム4.5やベホマトリートメントを使う事が多いです。
トラブルを防ぐための注意点
縮毛矯正で起こりやすい失敗例とその原因|クセ戻りやダメージを防ぐ方法
縮毛矯正でよくある失敗例として「クセ戻り」や「髪が硬くなる」といったトラブルがあります。
これらの原因は、還元剤の過剰な使用やアイロンの高温設定によるものが多いです。
チオグリコール酸に頼り過ぎて、アイロンも気合いを入れて伸ばした!みたいな事をやると、前髪がピンピンになったり、毛先が硬くなりお客様がコテで巻きにくいなんて事も起こるので、注意が必要です。
適切な薬剤選定とアイロンワークが重要です。
ミックスジスルフィドの形成を防ぐ施術テクニック
ミックスジスルフィド(還元剤と髪の結合が混ざった状態)が形成されると、髪が弱くなり、クセ戻りが起きやすくなります。
先程出てきたKSSRです。
- 還元剤を適量使用し、放置時間を守る。
- 中間処理で還元剤をしっかりと洗い流す。
- 酸化処理を十分に行い、結合を安定させる。
簡単にいうとKSSRを最後までKSHに分解しないと不安定でKSSKに戻らない結合の部分が発生します。
さらに片方のKSH(システイン残基)には金属イオンなどが不着しやすくなり髪のガザつきや質感の低下の原因にもなります。
クセ戻り、時間経過のダメージの原因です。
お客様の髪を骨折させたまま、関節を戻さないまま帰すのと同じ事です。
なので、先程の科学反応を意識して←に傾ける知識が大切という事です。
また、酸化剤の選択や均一な塗布も重要です。
過酸化水素やブロム酸を髪全体にムラなく使用することで、ミックスジスルフィドの形成を抑えることができます。
還元剤の残留と酸化不足が引き起こす問題|確実な仕上げのためのプロセス管理
還元剤が髪に残留した状態や酸化処理が不足すると、髪が不安定な状態になり、クセが戻る原因になります。
特に、過酸化水素やブロム酸などの酸化剤を均一に塗布し、しっかりと反応させることが大切です。
また、酸化後の自然安定期間を意識し、施術後数日は髪を無理に引っ張らないようお客様に指導することも効果的です。
応用編:美容師としてさらに知識を深める
新しい還元剤の研究と応用|低ダメージ縮毛矯正の方法
近年、縮毛矯正の分野では低ダメージを追求した新しい還元剤が注目されています。
これらの還元剤は、髪への負担を軽減しながらもしっかりとクセを伸ばす効果を持っています。
たとえば、システアミンやGMT(グリセリルモノチオグリコレート)は中性領域で作用するため、アルカリダメージを抑えることができます。
また、酸性領域で使用可能なスピエラは、特にデリケートな髪質に適しています。
これらの薬剤を適切に使い分けることで、お客様の髪質や希望に応じた縮毛矯正を提供することが可能です。
ですが、髪に馴染んで残留しやすい「エステル、親油性の還元剤」には本当に取り扱いに注意が必要です。
油なので水ではなかなか流れません。
GMTなんかはアルカリ分解するので、使用したら中間処理でアルカリトリートメントでできるだけ残留対策を行うと対策できると言われています。
艶も出てしっとりしてすごくいいのですが、怖い薬剤でもあります。
酸性ストレートの事故の原因の1つです。
スピエラやGMTなどの活用方法
スピエラやGMTは、従来の還元剤と比較して作用が穏やかで、髪へのダメージが少ないのが特徴です。
スピエラは酸性領域で使用することで、クセを伸ばしながら髪の表面を保護します。
一方、GMTは中性領域で作用し、髪内部への負担を軽減します。
ですが注意も必要です。
- 還元が甘くなりがちなので酸性にこだわり過ぎない、酸性に過信しない。
- とくに残留しやすいと理解しておく
- 薬剤ではなくアイロンで頑張りがちになる
メリットもある薬剤ですが、酸性ストレートは伸びない、痛むなどの原因になります。
かなりリスクが生じる施術だという事は理解しておいた方がいいかなと思います。
酸性じゃないと対応できない髪の場合は慎重に見極める事が重要です。
無理に施術しない方が無難です。
中間処理で使用する最新成分|髪のダメージ軽減のための工夫
中間処理でのダメージ軽減には、以下のような最新成分が活用されています:
- ケラチンペプチド:髪内部に浸透し、タンパク質を補強します。
- CMC(細胞間脂質):髪の保湿力を高め、柔軟性を向上させます。
- ポリイオンコンプレックス:髪表面に薄い保護膜を形成し、施術中のダメージを防ぎます。
これらの成分を中間処理で適切に使用することで、縮毛矯正の仕上がりをより良くしつつ、ダメージを抑えたり質感を上げる事ができます。
ちなみに僕は「活性ケラチン、エルカラクトン、ヒートコラーゲン、ケラチン、シルクなどの原料」を追加して使用したりしています。
新しいアイロン技術と活用法|仕上がりを左右する熱処理の工夫
アイロン技術も進化を続けており
- 低温アイロン:髪に負担をかけずにクセを伸ばします。
- 水抜きアイロン:水分を微妙に残しながらクセを伸ばす
- プレート素材の改良:セラミックやチタンプレートが髪への滑りを良くし、均一な熱処理を可能にします。
これらの技術を活用することで、より自然で美しい仕上がりを実現しながら、髪のダメージを抑えることが可能です。
最新のトリートメントとの併用|縮毛矯正の持続力を高める方法
縮毛矯正の効果を長持ちさせるには、最新のトリートメントとの併用が重要です。
たとえば、エルカラクトンやポリクオタニウム-10といった成分を含むトリートメントは、髪内部に深く浸透し、熱によるダメージを軽減します。
また、リピジュアやキトサンを使用することで、髪表面に保護膜を形成し、艶やかな仕上がりを保つことができます。
あまり聞き慣れないかもしれませんが「ポリイオンコンプレックス」の反応を利用すると髪に保湿力がましてねつの保護にもなります。
やり過ぎると髪がベタベタになるので注意は必要です。
お客様へのアフターケアの提案|ホームケアで仕上がりをキープ
縮毛矯正の仕上がりを長持ちさせるためには、お客様へのアフターケアの提案が欠かせません。
- 施術後2~3日間は髪を強く縛らない。
- 高保湿タイプのシャンプーやトリートメントを使用する。
- アイロンやコテの使用を控え、ドライヤーは低温で使用する。
- 定期的にサロンでケアをする。
お客様が正しいホームケアを実践することで、縮毛矯正の効果を最大限に引き出すことができます。
まとめ
縮毛矯正の成功には、科学的な知識と施術技術の両方が欠かせません。
ジスルフィド結合の操作や薬剤の選択、熱処理の工夫、中間処理と後処理の徹底により、ダメージを最小限に抑えながら理想的な仕上がりを提供できます。
また、お客様へのアフターケアの提案も重要なポイントです。最新の知識と技術を取り入れ、信頼される美容師を目指しましょう。